使用する際は、アルミ脚立に乗せます。
間違っても、学校の体育館のピアノの上には置かないように(笑)。

欲を言えば、ネットより高い位置に設置したいところです。ネットの高さは約1.5mです。

2号機の発射高さは45cmですので、1mちょっとの高さの脚立ならOKですね。

なお安定を保つために「天板」つきのものに限ります。  

脚立に本体を固定する方法ですが、ダイソーで売っている「旅行カバンを固定する」ときに使うマジックテープ付きのベルト(200円)を利用しています。


          シャトルを供給するパーツです

ローラー

         シャトルを打ち出すパーツです



[ご挨拶]
 個人練習用です。
ネットからバックバウンダリーラインまでおよそ7mあります。なにもそこまで飛ばなくていいから、工作好きな人なら製作可能で安価に仕上がる、自動ノックマシンを考えてみました。「
テシノ2号機」といいます。これは100%アナログです。センサーなどの電子機器は(知識がないため)利用しません。正月の三が日や冬休みの期間、製作されてみてはいかがですか?

 「2日間でできる」とはオーバーな表現ではありません。1日めは材料や道具を準備・購入します。ほとんどの材料は大型DIY店(千葉県北部なら「ジョイフル本田」の各店・特に印西ニュータウン店)で購入できます。ただし、マブチモーター380PH は普通の工作用モーターでありながら、置いてある模型店は少ないようです。電話等で事前に問い合わせる必要があります。
2日めは製作にあてます。なお製作にあたり、一つの論文を参考にしました。このHPの最後に論文名を記載しました。

[自己紹介]
 61歳のロートル・
プレーヤーです。千葉県の我孫子(あびこ)という、こじんまりとした町に住んでいます。「バドミントンかっぱクラブ」に所属しています。クラブではガット張りを担当しています。(ロートル:中国語の「老頭児」で「年寄り」。転じて「時代遅れ」「役立たず」)。

[特 徴]
テシノ2号機の構造は、
①筒からシャトルを抜き出す
②ローラーに挟み入れて打ち出す
という2段階になっています。

[一言メモ]
1. 打ち出しが100%成功するわけではありません。10球セットして9球打ち出せたら大成功と思ってください。
2. 子どもたちには、間違いなく受けます(バドミントンに興味を持ってもらうには格好の教材です)
3. 4~5mは飛びます。冒頭のように脚立の上に乗せれば、スマッシュレシーブやヘアピン等の練習に使えます。

[注意点]
フレームの材質はポリプロピレン系ですので、とにかく割れたりヒビが入りやすいです。
穴をあけるときは、まずキリの先端を熱して材料を溶かしましょう。
 以下、①パーツ別材料リストと②各パーツの製作上の注意点および写真などをアップします。



支柱が取り外し可能(そして軽量)なので、乗用車の座席に十分収まります。


これは試作品です。モーター軸に真鍮シャフトを差し込んでローラーを回します。ローラーは直径5cmのタイヤです。フタをかぶせてその上にシャトルを手で水平にセットします。モーターはマブチモーターの260か280です。およそ4m飛びました。
youtube「ノックマシンテシノ試作機」をごらんください。
https://youtu.be/cjwxf1Lt3I8


あれば便利な道具です。材料を円形にカットするものです。どちらも大型DIY店にあります。


テープ、接着剤です。茶色は布テープ、白色は両面テープ(仮止めするのに使用)です。あとボンドも必要ですね。
接着剤はこの3種類を用意しました。材質によってはまったく接着しないこともあり、選択には今でも苦労しています。


 パーツ別 部品リスト(◎は必須品です)
使用道具 カッター ・ ハサミ ・ ドライバー ・キリ ・ 100円ライター ・ ラジオペンチ・のこぎり
パーツ名   部品名 個数 価格 メーカー 購入先
1 タコ糸 1.5m     大型DIY店
  2 プーリーセット(L) 1 460円 タミヤ 模型店
  3 接着剤 1     大型DIY店
  4 木ネジ 4個     大型DIY店
  5 布テープ 1     大型DIY店
  6

◎低速ギアボックスセット

1 1000円 タミヤ 模型店
  7 ◎単3用電池ボックス(2個用) 1 300円   模型店
  8 ◎9v用電池接続部品 1     模型店
  9 ◎アルカリ乾電池単3・2個、9v・1個       模型店
  10 リード線   200円   模型店
  11        
  12 ◎製図・ポスター保管用円柱ケース 1 300円 ダイソー ダイソー
  13 ◎炭酸水 1L ボトル 1 150円 サングリア 飲料店
  14 真鍮パイプ 1     大型DIY店
             
ローラ― 1 ◎マジックテープ 2   大型DIY店
  2 木ネジ 6個     大型DIY店
  3 4mm厚べニア板 1 400円   大型DIY店
  4 ◎スナップスイッチ(動・止) 2 400円   模型店
  5 ◎マブチモーター380 2 750円 マブチ 模型店
  6 リード線   200円   模型店
  7 ◎CD収納円柱形ケース(5枚入り) 2   電気店
             
フレーム 1 ◎キッチンワゴン 1 2000円   大型DIY店
             

筒は、ダイソーの品を利用しました。大型の製図やポスターを保護するための筒です。300円。内筒と外筒の2重構造になっています。どちらも使用します。
その筒にサングリアの1Lペットボトルを取り付けます。透明ですから筒内の在庫数も確認できます。筒とボトルにすき間が生じますので、本体に布テープを巻いて調整します。


このペットボトルがいいです。ペットボトルには規格がないので、筒の径に合うものを探してください。


ペットボトルの口の部分を直径56~58mmの円形に切り取ります。最初に厚紙などで同径の円の見本を作り、切り口を調整しましょう。この部分はシャトルの取出し口になります。なお、基礎打ち用のシャトル以上のものをご使用くださいね(羽の部分が劣化したものは、使用しないでください)。
取出し口は、シャトル筒のフタを写真のように加工(カッターやハサミで切り取る)し、GPクリアで接着します。保護の役目があります(青色のリングですね)。
手動ノックマシンとして使用する場合は、以下の2つの方法があります。
これだけでもジュニアは大喜び!
応用1:三脚テシノ
応用2:ランドセルテシノ


応用1:三脚テシノです。
カメラやビデオ撮影に使用する三脚のカメラを固定するボルト、これを長いもの(30mm)に交換するだけで、ほらこのとおり。
助手さんがいなくてもオーケーです。材料は、①三脚、②筒をセットする3mmべニア、③筒を差し込み固定する厚めの段ボール(円形に切ってある部分)、④ボルト&ナット ⑤布テープ ⑥角度を固定する細ひも(緑色)だけです。
三脚さえあれば、1500円以内(筒代含む)で作れますよ。


応用2:ランドセルテシノです。
ランドセルの底部分とカバー部分に丸穴をあけます。そしてこの筒を差し込み使います。主にジュニアクラブ用に作ってみました。ダイソーの筒はそのまま(内筒・外筒両方)使えます。
大人が使うときは、肩ベルトを延長する必要があります。ボクは前記したマジックテープつきのベルトを適当な長さに切り、肩ベルトに縫い付け足し使用しました(青色の部分)。
ランドセルさえあれば、1300円以内(筒代含む)で作れますよ。
ノッカーはジュニアたちから「面白いおじさん」「へんなおじさん」と呼ばれます(笑)
ジュニアクラブを卒業される人の親御さんは、クラブへの御礼として作ってみるのも一考かと・・。


【ウインチパーツ】
話は戻りまして、ウインチ部分です。タミヤの「低速ミニモーターセット」を使っています。
黒い細ロープはタコ糸、巻き取り部分はプーリーを加工しました。
普通、ウインチは物を吊り上げるための機械ですが、テシノ2号機では筒に装填されたシャトルを落下させるために使います。


こういう形にセットします。
この真鍮シャフトを上記のウインチで押し下げる結果、シャトルも自動的に落ちるという構造です。シャフトの通り道は幅5mmにしました。筒の上下50mmはカットせず残しておきましょう。


シャフトの両脇をこのような物(プーリーなど)で固定し、作動中に筒から抜けないようにします。ここで、片方のプーリーは、接着剤などで固定しないで差し込むだけ。外せるように取り付けます。ここ、とても大事です。


写真左の2個のスイッチはウインチ用です。
正回転と逆回転です。
本当はトグルスイッチの方が見た目にはかっこよく、操作もしやすいのですが、小さいのではんだ付けが難しくあきらめました。
スイッチボックスの中は電池ボックスになっています。
シャトルを打ち出し終わり、シャフトがいちばん下まで来ました。

片方のプーリーを取り外します。

シャフトを筒から抜きます。
実際に動かしてみたらわかりますが、正回転(シャフトを下げる)はできるだけゆっくりと、逆回転(シャフトを筒上部まで上げる)はなるべく早くした方が、いいですね。
正回転を速くすると、ローラー部分でシャトルが詰まってしまいます。ボクは正回転には単3乾電池2個を、逆回転には9v乾電池1個を使用しています。


【ローラーパーツ】
材料探しには苦労しました。後記の論文では直径30cm余のローラーで実験していますが、結局、ボクは5枚入りのCDケースを利用しました。
黄色の材料は15cm長さのマジックテープです(ダイソー)。これは、ケースに張り付けるシールの粘着度が高く、また、シャトルを滑らずに打ち出してくれるすぐれモノです。なお、写真は1号機のもので、2号機では電池の配線は別になっています。それから写真の太い輪ゴムは、2号機では使用していません。


裏面は very  simple! です。電源ですが、最初は1個のモーターにつき9vのアルカリ乾電池(パナソニックのエボルタ)1個を使用していました。しかし、1個400円するものが、半日も持ちませんでした。回転数がダウンすると、飛距離が激減します。
2号機ではACアダプターを使用しました。この方法だと、回転の減少は防げますがコンセントから延長コードの長さでしか使えません。
一番有効なのは車の12vバッテリーを9vに減電圧して使うことだと思います。
なお、スイッチの位置は2号機では異なっています。


これがACアダプターです。家電に取り付ける黄色のリング部分を切り取り、下の家電用プラグと交換しました。


このように付け替えます。両方とも凸プラグだと、あわてているときなど延長側のプラグをコンセントに差し込んでしまう恐れがある(ボクやったことがあります。火花が飛んで、とても動揺しました)ので、写真のように凹(白色)にするとその心配がなくなります。


ACアダプターは直流(DC)で出力されます。つまり+と-が発生します。
取付の際、間違わないように、あらかじめコードを着色しておくと楽です。ちなみに+は赤色にしています(逆に接続するとモーターが逆回転します)。黒黄コードは延長コードです。
このやり方ですと、モーターを改造する必要もありません。


ローラーの表面です。上部の突起物はなくてもかまいません。


モーターには2つの取付ネジが付属しています。
まず、およその位置に目星をつけ、木板にモーターの直径より10mm広い穴をあけます。次に透明なプラ板に、モーター表面の小円より若干広い穴をあけ付属のネジでモーターを固定します。その後、その透明プラ板を木ネジで木板に固定します。最初は2か所を止める程度でいいでしょう。理由はあとで書きます。


拡大写真です。繰り返しますが、この2個のネジはモーターの付属品です。

 


ローラーの裏面です。モーター軸より気持ち太い真鍮パイプを軸に差し込む(スカスカだと用をたさないです。軽く打ち込むくらいの径がベスト)形で取り付けます。最終的にローラーの高さを決めたら、瞬間接着剤で固定します。パーツの最重要の作業です。


【フレームパーツ】
2号機の全体写真です。「
ケイヨーD2(DIY店)」で売られている。ワゴン「4段スリム型」を使いました。

 


フレームのサイズです。縦160mm、横420mm です。
横はまだ余裕がありますが、縦はギリギリだと思います。


筒の差込口です。2号機ではこの位置になります。ワゴンによって支柱の長さは異なるでしょうから、シャトルの落下位置からローラーまでの距離は、ごらんのような板で調整してください。ちなみにここでは4枚使っていますね。
向こう側の茶色の箱の中は、ウインチの電池ボックスです。


シャフトが最後まで下がるように、ちょっとした細工(切り込み)をします。

筒が長いので、直立状態が不安定です。写真のように筒が左に傾いてしまうと、筒とフレームの隙間がなくなり、タコ糸が通りません。窮余の策としてマジックテープを利用して、筒が真っすぐになるようにしました。次の写真にも写っている桃色のマジックテープは、前記したベルトの不要部分を切って使っています。


この茶色の滑り台部分は段ボール製です。
このカーブの具合によって飛距離はまったく違ってきます。
フレームを取り外して移動や保管が容易になるように、また微妙な調整ができるように、滑り台上部の桃色の部分はマジックテープ、下部は画びょうで止めます。このパーツの最重要作業です。


正面から見た写真です。


正面からシャトル排出口を見たところです。ローラーの間隔と高さは、論文に従っています。

ローラーにはこのようにセットされます。
正確に言うと、茶色の滑り台を滑り落ちたシャトルは少し斜めの形でセットされます。


「最初は2か所止めでいい」と書きました。それはローラーの間隔を調整するためです。仮止めですね。
参考にした論文というのは、インターネットで公開されている「JSTAGE.GO.JP  ローラ式バドミントンマシンの開発と性能向上」です。
その論文には、ローラ―とローラーの間隔は「19mm」がベストだと書いてあります。飛距離が最大になるように、間隔をご自分で調整してください。
これでよしとなれば、木ネジをあと1本か2本加えて本格的に固定します。共振を防ぐため、なるべくモーターの近くを固定しましょう。これで私の説明は終わりです。

最後になりますが、「テシノ2号機」は練習機材というよりも冬休みの工作物と認識していただきますよう、お願いします。
「チェッ、満足に飛ばないじゃないか。だまされた!」という方は、数十万円払って本物の自動ノックマシンを購入してくださいね。
ご一読、ありがとうございました。 

  Teshi-No works    望月敏和 2018.12.20 記